緑花ガイド

デンドロビューム・ファレノプシス系

園芸店などで「デンファレ」という名前で売られていますが、この花はデンドロビューム・ファレノプシスというランの仲間で、一般の草花とは育て方が違います。
 同じデンドロビュームの仲間のノビル系は、インド、中国南部、タイなどが原産地ですが、デンファレは、インドネシア・チモール島およびその周辺の島々を原産地としていて、開花期や生育環境が違うので、家庭では栽培方法を変える必要があります。

デンファレは、デンドロビュームとファレノプシス(コチョウラン)の交配種と思う人もいますが、コチョウランとは別の種類です。この名前がついたのは、原種の花がコチョウランに似ていたためです。
 現在の品種のなかでも、コチョウランに似てよく整った花形に人気が集まっています。

デンファレ
デンファレ
コチョウラン
コチョウラン

デンドロビュームといえば、一般にはノビル系の仲間を指す場合がほとんどです。ノビル系は、バルブの節ごとに短い花茎に2~3輪ずつ咲きますが、デンファレは、バルブの頂上に花茎が長く伸び、10輪前後の花が咲きます。
 開花期間は約1ヵ月と長く、ピンクや赤、白、黄、緑など花色も豊富で、花弁が赤と白の組み合わせになったものや、覆輪タイプ、細かなストライプなどがあります。
 育てやすいのは、株高20cmくらいの小輪系の品種で、寒さに比較的強いので、初心者に向いています。

置き場所

冬は、最低温度が15℃以上保てるような場所に置きます。
 5月中旬からは、徐々に日光に慣らし、戸外の半日陰に置きます。10月中旬になったら室内に入れて、昼間は窓辺のガラス越しの日光に当てます。夜間は厚手のカーテンを閉めるか、少しでも暖かい部屋に置きます。

水やり

5~10月の生育期には、1日1回、早朝に与えます。特に真夏は多めにします。
 冬期は、1~2週間に1回程度、鉢内が完全に乾いてから与えますが、室温が15℃以上ある場合は週に1~2回与えます。
 寄せ植えの鉢は、ポリポットに植えられたまま寄せてあるものがほとんどです。マルチング材(株元を覆っているミズゴケなど)をはずして、その中の植え込み材料が乾いているのを確かめて、水やりします。

植え替え

5月中旬から6月頃、新芽が伸びはじめた時が適期です。新芽側が生長できるように空きスペースを確保して、小さいサイズの鉢に植え込みます。
 寄せ植えの鉢は、花後に必ず植え替えをします。園芸店などで売られている鉢は、小さな鉢で育てられた株を開花時期がそろっている数株を寄せ植えしたものがほとんどです。花が終わったら、鉢から抜いて、一株ずつにもどしてやります。

肥料

5月中旬から7月に緩効性の化成肥料を月1回ずつ施し、さらに2000倍に薄めた液体肥料を1週間に1回ずつ施します。
 冬期は、室内の夜間気温が15℃以下の場合は、施しません。最低温度が15℃以上ある場合は、液体肥料の2000倍液を1週間に1回施します。